
やっとできあがりました。安全性度外視のずぼら実装。電源トランスが見えているのはさすがにやりすぎかもしれません。
今年のアナログシンセサイザービルダーズサミットにお持ちしたいと思います。でもあまり激しく音だしはできないかもしれませんね。
以下製作の総括です。楽に作れるだろうと思ったら甘い甘い。構想とサボリ期間も含めたら半年ぐらいかかりました。まじめに作り出してからも週末作業で1ヶ月ぐらいかかりました。(失敗や試行錯誤が多かった)
全体構成
スピーカーを回転させる回転スピーカーユニットと、そのスピーカーを鳴らすパワーアンプで構成されています。それらを一つの箱に詰めています。
回転スピーカーユニットは、モータードライブも含めて完成品で、ユニットに給電するだけで普通に動きます。ですので、製作はパワーアンプの設計・製作と箱づくりが中心でした。
回転スピーカユニット
古〜い YAMAHA エレクトーンから取り出しました(亡くなったジーチャンの持ち物だった)。E-20 という機種、ユニットの型番は JA1701B です。
レスリースピーカーは、スピーカは固定でその上で導音ホーンを回転させる仕組みですが、こちらは、スピーカーそのものを回してしまう、おとこ仕様。スピーカーへの給電は回転軸を通してやっているようですがばらしていないので詳細は不明です。スピーカーは普通の 8Ω スピーカーとして扱って問題ないようです。
8Ω以外の仕様がわからず、YAMAHA さんに問い合わせてみました。親切にも回答いただいたのですが、あまりにも古くユニットの資料が残っていなかったとのことですが、駆動しているアンプの出力は 30W だということを教えていただきました。とりあえずこれで十分YAMAHAさん感謝です。
回転部の仕組みは、モーター駆動のベルトドライブ、モーターのスピードを変えることでスピードコントロールしています。ユニットに回路図がついているので、いつか気力のあるときに写します。
スピーカーを垂直方向に回すのが正しいのか水平方向に回すのが正しいのかはじめわかりませんでしたが、製作を進めるうちに、どうやら縦まわしが正しいらしいことがわかってきました(水平に回すとへんなノイズが出やすい)。
アンプ部
回路図はこれです。

最初は後段しかありませんでしたが、ゲインが足りないし、歪みがあまりに少なく面白みがないので、前段に帰還のゆるい FET アンプを入れました。帰還の度合いを VR1 で調整できます。帰還をきつくすると、ゲインが低く歪みが少なく、ゆるくするとゲインが高く歪みが多くなります。VR1 を動かすと、Q1ドレインに乗っている直流成分が後段にもれるのがいけてないですが壊れるほどではありません。要改善点ではあります。
出力は30W前後です。(計算間違いしていなければ)
替えのユニットはまず手に入らないと思われるので、スピーカーの保護にもう少し力を入れたほうが良いかもしれません。とりあえず2Aのヒューズをスピーカーと直列に入れるぐらいのことはしておこうと思います。(まだやってない)
電源
回転部の電源回路は、モータードライブ回路に含まれていたので製作無用でした。アンプ用の電源はあるわけないので自作(今思えばこっちもエレクトーンから引っこ抜いてくればよかったです。おかげでよい勉強にはなりましたが)
電源部の回路図はこちら

アンプ出力に合わせて 2A 出るようになっています。トランスは3A、ということで、電源まわりがものすごくすれすれ設計です。どきどき。ほんとは電源3A出力、トランスは5A出せるもののほうが安心だったのですが。何故こうなったかというと、まあその、お金ケチったんです。
配線
中の配線はこんな風になっています。これは悪例としての情報提供です。外からスピーカーも電源トランスも丸見え。手ぇつっこんだら下手したら死にます。
危なすぎるので、楽に安全確保する方法を思案中です。

肝心の音は...
音は、滑らかです。エフェクタでいうと、コーラスに近いです。(フェイザーには近くない)
コーラスは、ディジタル、アナログ問わず少しざらざら感が伴いますが、これは機械式だけあってそういう感じはしません。ただし激しく色がつきます。低域は出ません。
音はかなり気に入りました。やはりブースターでゆるく歪ませたほうが気持ちよいです(ハイファイモードで使うとキャンキャンいうので聴いて疲れる)。しかし、重いしヘッドホンじゃ聴けないし置き場所に困るしで、不器用なことこの上ありません。まあ、こういうエフェクターやアナログシンセに器用さを求めてはいけないですね。
http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/emi/japan/ele/E20J_1.pdf
スピーカーの出力は60Wってあるんですよねぇ、ウソだかホントだかしりませんが・・・。
所長さんコメント&資料のありかありがとうございます。
30W なのか 60W なのか、試してみるには度胸がいりますね。といっても60Wなんて、電源が大変で気軽に試せるもんでもなかったりします。
E-20 子供の頃よく弾いていましたが、ロータリースピーカーがすぐにメインスピーカーに負けて難儀していたので、案外と30Wのほうが正しいかもしれませんです。
http://page10.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m46509908
年代が違うんでしょうね。どっちが新しいのかしら?
壊れていなければ電源入れるだけで動くし、多分回路図も貼り付けてあるから作りやすい一品ではありますよ。所長もひとついかが?
元某地方の楽器店関係者です。
このタイプのユニットを含めて、これより新しいタイプのレスリーユニットもかなりな数をヤフオクで販売しました。
(現在は売ってません、担当者の私が辞めちゃいましたからねw)
ヤマハのエレクトーンは確かFSシリーズで電子式のエフェクトが導入されるまでは上位機種にレスリーユニットが搭載されていました。
その後もデジタルリバーブが一般化するまではスプリングリバーブが使われていたので、スプリングのユニットも入手できます。
カワイの同時期の機種を分解すると、ハモンドOEMのレスリーユニットが搭載されており、こちらも人気が高かったのですがスピーカー背部の防音がなされていないので、実はヤマハ製のユニット(このブログ記事で使われているタイプの後のタイプ)よりも作りがかなり雑でした。
他にもレアパーツが色々入手できるので、昔のエレクトーンはある意味宝の山でしたね。
私がいた楽器店はピアノやエレクトーンの運送、保管なども行なっていたのでこのレスリーユニットが搭載された機種もかなりな数が廃棄処分として入ってきていました。
当時はホコリまみれになりながらwハイスピードで分解>パーツをヤフオクに出品と言うことをやっておりました。
また寄らせてもらいます^^v